〔デイトレストラテジーの研究〕LAST15

日経225先物(Mini)のデイトレストラテジーには、長期間に渡って有効に機能するモノもいくつかあります(どういったモノが良くてどういったものがダメなのかについては別の記事に記載したいと思います)。

LAST15はデイセッションの最後の15分間だけの取引でBoctok01(自動売買システム)のユーザーさんなら誰でも使えます。これは2006年の夏ころに(この時は15:10が大引けだった)に使用を始め、以来ずっと長期間有効性が保たれているストラテジーです。

LIVE中継の取引ではLAST15の出動回数が期間途中から極端に少なく、収益も微々たるものになっていたのはフィルタをとても大きな値にして動かしていたためです。

近々に刷新予定のBoctok01(自動売買システム)で再度検証を重ねたところ、LAST15だけでも年間30%ほどの収益はやすやすとクリアでき、しかもドローダウンも少なく研究開発を続けるに値するストラテジーだと改めて判断しましたので、改めてそのアルゴリズムと設定を解説します。

アルゴリズムの基本

背景

株式の取引時間は15:00で終了しますが、株価指数先物(日経225先物(Mini)やTOPIX先物など)は15:15までがデイセッションの取引時間です。

日経225MiniやTOPIX先物などの場合

  • 15:00~15:15は先物だけの時間帯
  • 15:10~15:15はプレクローズ時間(板寄せのみで約定はできない)
  • 15:15は大引け(クローズ時間)

LAST15はこの時間帯だけで取引するストラテジーです。

この時間帯に発生すると思われる値動き傾向

この15分間は欧米市場の動きを前もって織り込んだり、保有しているポジションの整理(=値動きに順じて返済・新規建て)の動きが発生するものと想定できます。

値幅が大きく出た場合(又はトレンドが明確な場合)には、この時間帯の価格変動はトレンドに沿った方向になりやすいと想定できますが、データ検証でもこれを裏付けることができます。

要約すると、動いてきた方向に15:00に新規ポジションを取り、大引け(15:15)で返済するというごくシンプルなトレードでこの傾向を収益化できるといえます。

アルゴリズムの詳細

この手法では「トレンド方向に仕掛ける」ことだけを考えればよいので、アルゴリズムもごくシンプルで済みます。更に、ここで解説するトレンド判定方法ではなくてもよく、他の方法でも良好な結果を得やすいストラテジーです。

アルゴリズム構築の概要

  • トレンドを判定する
  • 15:00にトレンド方向に仕掛ける
  • 大引けで返済する

要はこのように組めばよいのです。よって、下記に解説するアルゴリズムはこの取引手法の一例として位置付けていただいた方が発展性がありそうです。

LAST15のアルゴリズム解説

LAST15の解説資料

■サイン判定方法

  • 当日15:00の価格ー前日大引け(15;15)=A とします
  • 当日15:00の価格ー当日9:00の価格=B とします
  • A>0、B>0ならば15:00に新規「買い」
  • A<0、B<0ならば15:00に新規「売り」

すなわち、AもBも正の値の場合(=前日からも上昇しているし、当日も上昇している)場合にはには当日の15:00に「新規買い」で大引け返済。

逆にAもBも負の値の場合(=前日からも下落しているし、当日も下落している)場合にはには当日の15:00に「新規売り」で大引け返済

バックテスト

最初に、バックテスト(過去の値動きで有効性を検証する作業)を使用または作成するときの注意点があります。

何かというと、作成したストラテジーがサイン判定においてテクニカル指標(MACDやストキャスティクスなど)に依存している場合にはバックテストはほぼ無意味または時間と労力のムダになります(その理由についてはここでは説明を省きます)。

つまり、アルゴリズムによってはバックテストはほぼ意味を持たないという事がストラテジー開発ではままあることなのです。

LAST15のバックテストファイルのダウンロード

LAST15のバックテスト(検証)ファイルはどなたでもダウンロードできるようになっていますので、上記を踏まえた上で使用してみてください。

ダウンロードはこのサイトにログインすると表示されるページから可能です(無料)。

バックテストファイルの使い方

ダウンロードしたバックテストファイルで下図の赤枠の部分が先ほど解説したAとBです。

  • 当日15:00の価格ー前日大引け(15;15)=A とします
  • 当日15:00の価格ー当日9:00の価格=B とします

検証ファイルを弄ってみると判りますが、このパラメータ(変数)はどう設定しても期間中全体の有効性は保たれることが分かります。

任意に設定してBoctok01にその設定を施してあげればその通りに自動売買してくれます。

LAST15 バックテストファイル(2020/07/20に設定値変更)

Boctok01(自動売買システム)へ設定する

LAST15はBoctok01(自動売買システム)をお使いのユーザさんは誰でも無償で使えるようになっています(サヤトリユーザーさんも使えます)

LAST15を「有効化」する

Boctok01(自動売買システム)でLAST15を「使用する」ボタンを押すと有効(=使用)できます。

パラメータ(変数)を適切な値に設定する

次にバックテストファイルで確認した値をBoctok01(自動売買システム)のシート「設定」に適用します。

LIVE中継のパソコンには、(ほぼ)下図のような設定値に変更しました(2020/07/20)。

LAST15の設定部分

■AとBの設定

  • Boctok01(自動売買システム)の制作時には「A」「B」と区分していなかったので表記がそうはなっていません。上図を参照して値を適用してください。

■取引枚数の設定

  • 1の箇所で最大5枚まで設定可能です
  • 2の箇所は新規発注の動作時間設定です

以上でBoctok01(自動売買システム)でLAST15を自動売買できます。

詳細設定の解説

LAST15の詳細設定
  1. 「執行条件」は指値・最良指値・成行FAKから選択できます。15:00近辺は価格が暴れることが多いので指値又は最良指値を推奨します
  2. 「利益確定」の設定。LAST15は“時間でリスクを限定”していますので、自動売買システムでは“利益確定”を優先した動作にしても問題ありません。よってここでは執行条件を「指値」にしてあります。
  3. 「ロスカット」の設定は上記と同様に時間で限定されているため、価格での限定は緩め(大き目)で大丈夫だと思われます。
  4. 「トレーリングストップ」の設定項目です

LAST15の短所・長所

✔Cons LAST15の短所

  • あまり大きな収益は期待できない
  • たった15分間の取引なのでLAST15だけを取引するのは効率が悪い(資金が寝ている時間が多い)
  • これだけの取引は暇が多すぎて嫌になってしまう

✔Pros LAST15の長所

  • 有効性がしっかりしている
  • 僅か15分間の取引なので
  • ドローダウンが少なく安心感が高い
  • 他の取引の余力程度の資金で取引できる(=あえてLAST15のために資金を準備しなくてもよい)
  • 利回り的にもこれを使わない理由はないくらいのストラテジー

以上ですが、LAST15はBoctok01(自動売買システム)のユーザーさんなら誰でも使えるストラテジーです。バックテストファイルなども活用し研究の上で活用なさってください。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事